<2008.6.22更新>
●世界でも類を見ない「酒天国日本」!?
飲酒運転による事故が増え、道路交通法が改正され、罰則が強化....
2007年には飲酒運転は100万円の罰金が科せられ、同乗者や酒を提供した者も50万円の罰金という異常事態となり、飲酒運転は以前に比べ減ったというが、そもそも飲酒運転を増やす原因を作った日本政府の責任はいったいどこへいったのでしょうか?
日本では2006年9月より、それまであった酒販免許が実質上撤廃されました。
酒販免許とは、酒類を販売するにあたり半径何百メートルあたりに1軒という距離基準や人口何千人あたりに1軒といった人口基準などを規制した法律です。そもそもは酒が至酔性をもつことから、未成年者の飲酒やアルコール中毒など、さまざまな社会問題を生み出す特別な飲料のため、適切な販売・消費を行うために作られた制度が酒販免許だったのですが、この酒販免許を政府は「規制緩和」という御旗の下に撤廃したのです。その後は皆さんもご存知の通り日本中のコンビニやスーパーで、いつでもどこでも24時間酒が買えるという世界でも類を見ない「飲酒天国」となったのです。これはまさに先進国では類をみない、WHO(世界保健機関)などからも指摘されているほどの「酒に甘い国」なのです。
そして、時を同じくして飲酒運転による死亡事故が増え、ついには罰則強化という事態へ。これは偶然のタイミングなのでしょうか?
当店のある千葉県には数え切れないほどのコンビニが林立し、そのほとんどで酒を販売しています。駐車場は大型トラックが10台以上は停まれるほどの巨大なものばかりで、お客のほとんどは車利用客です。そのお客がいつでも酒を買える環境を整えておいて、「飲酒運転はいけませんよ」というのは明らかにおかしいことではないでしょうか?飲酒運転を助長させる環境を作っておいて、飲酒運転が増えれば罰則を強化して取り締まる。国の政策とは思えないお粗末極まりないものです。
酒販免許実質上撤廃のニュースは、テレビのニュースなどではほとんど報道されませんでした。それは、スポンサー企業の多くに悪印象を与えると予想されたからでしょう。
テレビも民間企業であるがため、ニュースも選んで放送していることを知っておかなければなりません。それがこの国の実態なのですから...
●“酒開放”でいったい誰が得をしたのか?
酒が自由に販売できるようになって最も得をしたのは誰なのか?
なぜ、酒販免許を撤廃しなければならなかったのか?
その答えは、実際に誰が得をしたかを考えれば、真実はおのずと見えてくるものです。
酒販免許を撤廃しなければならない明白な理由はなく、政府が示した理由は「規制緩和」の四文字のみ。そして、それを要望したのは「経団連」、すなわちスーパーチェーンやコンビニチェーンなどをはじめとする大手企業にほかなりません。国会では健康面や青少年問題、交通事故、犯罪などの社会問題を助長するという反対意見が出ましたが、十分な審議を行うことなく大手企業の「儲け主義」を後押しする形で、時の小泉内閣が酒販免許を撤廃したというのが事実です。酒販免許撤廃により膨大な利益を得る者達と政府との裏取引により酒販免許が撤廃されたのが事実です。
その結果、スーパーチェーンとコンビニチェーンは、当初ゼロだった酒類売上が一気に1兆円規模までに伸び、棚からボタモチ的な利益を確保することができたのですから...。そして、そのツケは最終的に一般庶民が払わされるという構図、いつまでたっても変わりませんね。日本という国は。
次のデータは大手コンビニチェーン上位5社の酒類売上データです。
2008年現在全国には約5万軒のコンビニが存在します。
| 主要CVSチェーン2008年2月期中間決算 |
| チェーン名 |
酒販免許取得店 |
酒類売上高 |
| セブンイレブン |
11,382店 |
※720億円 |
| ローソン |
8,271店 |
446億円 |
| ファミリーマート |
6,229店 |
323億円 |
| サークルKサンクス |
4,479店 |
265億円 |
| ミニストップ |
1,627店 |
75億円 |
※セブンイレブンの売上は2007年のデータ。2008年分は非公開。
店舗数が12000軒に増えていることから、760億円前後と推測される。
スーパーの酒類売上に関しては、イオン、イトーヨーカ堂、ダイエー、西友などの大手チェーンがデータを公表していないことから詳細はわかりませんが、ある調査会社の2007年の調査によるとスーパーチェーン全体の酒類売上は、コンビニチェーンの約50倍弱とのデータがあります。
| 主要スーパーチェーン2006年酒類販売状況 |
| チェーン名 |
酒販免許取得店 |
酒類売上高 |
| アークス(北海道) |
155店 |
133億円 |
| ヨークベニマル(福島) |
106店 |
104億円 |
| マルエツ(東京) |
182店 |
171億円 |
| ライフコーポレーション(東京) |
166店 |
145億円 |
| オーケー(東京) |
33店 |
113億円 |
| ユニー(愛知) |
140店 |
138億円 |
| マイカル(大阪) |
100店 |
108億円 |
| マックスバリュ西日本(兵庫) |
122店 |
108億円 |
| オークワ(和歌山) |
127店 |
103億円 |
| イオン(千葉) |
316店 |
非公開 |
| イトーヨーカ堂(東京) |
162店 |
非公開 |
| ダイエー(東京) |
202店 |
非公開 |
| 西友(東京) |
376店 |
非公開 |
※これは2006年のデータのため現在(2008年)では、酒販売店舗は2割近く増えています。
●酒販免許について
酒販免許は現在も形だけは残っており、もちろん無免許で酒を販売すれば法律違反となります。しかし、申請すれば取得できるという形式だけのもので、業界内外では実質上撤廃と認識されています。酒販売があまりにもずさんではないかという消費者団体等の指摘により、その後、酒販売場に酒類販売管理士と責任者を常駐させなければならないといういう制度を設けましたが、こちらもチェックはない、罰則もないという形式だけのお粗末さ。しかも、自動車免許更新時の講習のような、1〜2時間居眠りしながらその場に居れば誰でも資格がとれるという安直な制度です。少なくとも大人の仕事とは思えません。
|
|
|
|