ザールと言えばエゴン・ミュラーといわれるほど超有名蔵と比べ、彼ハインツ・ワグナーの名は全く無名に近いものですが、彼ほどワイン造りにその身を捧げている人は世界中のワイナリーを回りましたが他に会ったことがありません。畑仕事から醸造、セラー内の作業もすべて彼自身が行なっており、彼の育てたワインは、どんな有名な醸造元と比べてもまったくひけをとりません。機械での作業が不可能な大変険しい斜面にリースリングのみを植え、その醸造法は頑固なまでに伝統的です。近年、ドイツワイン生産者の間で誰もがよりクリーンなワインを造ろうとハイテクに走り、ワインからいろいろ複雑なエキス分を取り除いてしまう傾向がありますが、ワグナーは、彼のワインの風味が弱まってしまうのを嫌い、昔ながらの製法を守っています。彼のワインは、酸味が多すぎると言う人もいますが、彼は『もし酸を弱めたら、果実味も風味も弱ってしまうし、何よりもそんなことをしたら私のワインではなくなってしまう。』と言いまったく妥協せず、まさに他の若い古典派のドイツワイン生産者のお手本ともなるべき人物といえます。
「LIFE BEYOND LIEBFRAUMILCH」 by Stuart
Pigottより
※注釈 この紹介文は、まだワグナー家が有名になる前に発刊されたものです。